座談会
男性育児休業取得者座談会
育児経験は、業務への大きな糧にもなる
東テクでは、男性社員向けの育児休業のしおり作成や相談窓口の設置など、男性社員の育休取得推進に向けたさまざまな取組みを進めています。東テクの男性育休取得率は2021年度の4%から1年間で44.4%に上昇。今回は、2022年度育休取得者の中から3名の社員が集まり、育休取得への想いや休職中のエピソードを語りあいました。
-
熊田 一輝(東京計装事業部)
育休取得期間:14日間
-
加藤 雅貴(東京計装事業部)
育休取得期間:20日間
-
三中 祥弘(大阪空調事業部)
育休取得期間:13日間
-
吉村 直樹(人事部)
ファシリテーター
家族を全力でサポートしたいという強い思い
吉村
早速ですが、皆さんが育休を取得しようと思った理由を教えてください。
熊田
初めての子育てのため、妻と子どもの体調を第一に考えて育休を取得することを考えました。フォローしてあげたいという思いと、乳児の時から育児をしない夫は妻に一生チクリと言われ続けるだろうな(笑)という不安から、全力で育児しようと覚悟を決めていました。
加藤
私のところは、お互いの両親が共働きのため、里帰り出産ができない状態でした。妻のために全力でサポートしなければと思い、取得を決めました。
三中
私も、妻の生活面や育児をサポートしたいという思いがあったからです。それに、大阪支店には男性育休取得者がこれまでいなかったので、自分が取得することで周りの方に今後良い影響を与えられたらなと思いました。
吉村
育休を取得すると伝えたときの職場の反応はどうでしたか?
加藤
妻が妊娠中のときから上司が常に気にかけてくださり、「育休取得すれば?」という声をかけていただきました。出産予定日が大型現場竣工後という比較的調整ができる期間だったということもあり、タイミング的にも良かったかなと思います。
三中
当時、所属部署内の仕事が忙しい時期ではありましたが、育休取得の相談をすると、取得理由について深く質問されることもなく上司から理解を得られ、スムーズに許可をいただくことができました。その際に「頑張れよ」と激励の言葉をかけてもらえたことが嬉しかったです。
熊田
私の所属部署内では、すでに取得した方がいたこともあり、言い出しやすい環境ではありました。自分自身の今後のキャリアについて上司と面談する際に、相談事項に取得したい旨を記入していたので、上司から話を振ってくれました。
育児経験が業務への大きな糧に
吉村
やはり上司の方の理解があるとより取得しやすい環境になりますね。では、育休取得中はどのように過ごしていましたか?
熊田
私はミルク、おむつ替え、沐浴、寝かしつけなどやりました。特に3時間おきにミルクをあげることが大変でしたね。沐浴は動画で勉強しながら妻とあたふたしながらやりました。今ではすっかりシャワーも慣れてくれて、日々成長を感じますね。
加藤
私のところは、昼は私がミルク、夜は妻が授乳と昼夜交代制で面倒をみるよう工夫しました。おかげでお互い睡眠時間は確保することができて上手くいったなと思います。また、家事全般も引き受け、家族全員の健康を考慮して、食事は栄養バランスのとれたメニューを意識して作るようにしました。
三中
一番苦労したのは沐浴ですね。育児教育に参加し、事前に人形を使って練習をしましたが、いざ実践となると本物の赤ちゃんはやわらかく、感覚が全く違うので焦りましたね。
吉村
育休取得後、ご自身の意識や仕事に対する取組み方に変化はありましたか?
三中
まずは育児の大変さが身に染みて分かるようになりました。今では娘と2人で近くのスーパーやショッピングモールに出かけることができるようになりました。週末のわずかな時間ですが、抱っこ紐を巻いておむつを持って出かけることが楽しい日々ですね。週末だけではなく、平日の夜も娘の顔を少しでも長く見たいので、これまで残業に使っていた時間を朝早く出社することに充て、1秒でも早く帰れるように工夫しています。おかげで業務の効率化も図れるようになっていると思います。
加藤
新生児という貴重な期間に育児経験ができたことは自信につながりました。夫として育児を任せてもらえること、それによって妻がひとり時間を確保できるほどの安心感を持ってもらえたことが嬉しかったです。復職後は、子どもが眠る前に帰宅したいと思い、一日のスケジュールを効率よく組むようにしています。一つひとつの仕事にこれまで以上に気合が入るようになりましたね。
熊田
育休を取得したことで、同じように私を育ててくれた自分の親へあらためて感謝の気持ちが芽生えました。保育園のお迎えに行くためにフレックス制度を使って、17時に退社するようにしています。お迎えに行くと「パパ~」と走ってきてくれるのがたまらなく可愛いです。最近は、2人で電車に乗って動物園に行くこともできるようになりました。平日は夫婦で働きに出ているので週末はお互い趣味の時間を確保できるように分担しながら過ごしています。
制度を活用し「取得する」思い切りが大切
吉村
皆さんのお話を聞いて、お互い息抜きの時間を確保してあげる思いやりこそが良い関係性を気付く秘訣のように感じました。最後に、これから育休を取得しようか迷っている社員に向けてメッセージをお願いします。
熊田
会社としては育休取得を推進しており、制度環境は整っているので、迷っている方は「取得する」と思い切りが大切だと感じます。取得期間については、親や親せきなどがそばにいて育児に協力してもらえる環境があるかどうかで検討するのがよいと思います。
加藤
取得したい思いがある場合は、周りの方に早めに相談することで、フォロー体制を整えていただけると思います。また、取得を考えている方は、子どもが生まれるまでに家事をひと通りこなせるように練習しておくことをおすすめします。せっかく取得したのに足手まといだと怒られてしまうのはもったいないです。(笑)
三中
この経験を通して私は、育児の大変さをより深く理解することができたと思います。育休中にフォローをしてくださった皆さんには感謝するとともに、今度取得する方がいたときには、自分も全力でサポートしたいと思います。